米Evans Dataは,企業のアウトソースに関する調査結果を米国時間6月10日に発表した。同調査は,同年5月に400人を越える企業レベルの開発者に対して実施したもの。それによれば,開発の一部をアウトソースしている企業は,2001年初頭には40%だったのが,今回の調査では65%に増加していることが明らかになった。

 その中で,インド,中国,ロシアのオフショアの開発ハウスに委託している割合は,前年から2倍増加して13%だった。もっともアウトソースされる傾向があるプロジェクトは,インテグレーション,セキュリティ強化,ワークフロー管理プロジェクトだった。

 2万人を越える従業員を抱える大規模な企業は,開発プロジェクトをアウトソースする傾向が強く,75%がいくつかのプロジェクトをアウトソースしている。プロジェクトの25%をアウトソースしている企業は22%だった。IT予算が1000万ドルを越える企業も,開発プロジェクトをアウトソースする傾向が強い。85%がプロジェクトの一部をアウトソースしている。プロジェクトの25%をアウトソースしている企業は61%で,4分の3をアウトソースしている企業は7%だった。

 企業による開発プロジェクトのアウトソースは,専門知識を得ることがもっとも大きな理由として挙げられている。アウトソース・プロジェクトの委託先は,個人コンサルタントが16%,小規模な開発ショップが13%,中規模なローカルのVARが12%,中規模の専門VARも12%だった。

 そのほかに5月の調査で明らかになったのは次の通り。

・回答者の3分の2(67%)は,企業サーバー上でLinuxを稼動する時間があると回答している。前年は43%だった。

・10人中8人を越える開発者は,自分の企業がすでに無線LANを配備していると回答している。前年の調査から3倍以上増加した。しかし,10人中4人はDos攻撃を受け,3分の1が許可を受けないユーザーの侵入を経験している。

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