米Evans Dataが米国時間3月17日に,Linux開発の状況について調査した結果を発表した。それによると,現在Linux向けアプリケーションを手がける開発者の52%は,Windows向け開発からの移行者である。また30%は,かつてUNIX向け開発を手がけていたという。

 開発者がLinuxを選ぶ理由としては,主に「安定性が高い」「オープン・ソースであること」「コストが安い」の三つが挙げられた。「オープン・ソースと低コストという事実は,プロプライエタリ製品にとって太刀打ちし難い強みである(Evans Data社)

 Evans Data社Linux担当アナリストのNicholas Petreley氏は,「WindowsからLinuxへの移行はめざましい。Linuxは自らオープン・ソースの恩恵を受け,他のOSより速く普及している」と述べた。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・開発者の61%は,コンパイラを最も重視している。約25%はLinux向けコンパイラを,「手がける価値がある」あるいは「手がけるべき」ツールとみている

・開発者の56%は,「自社の開発作業にとって64ビット・アーキテクチャが重要だ」と回答。しかし,多数の開発者はいまだに米Intelの32ビット・アーキテクチャを採用しており,64ビットへの移行については状況を見守るっている状態だ

・開発者の36%は,Linuxカーネル2.6がリリースされれば,6~12カ月以内にLinuxカーネル2.6に移行するつもりだという

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