ドイツのSAPは米国時間6月10日,サンフランシスコで開催中のJava開発者会議「JavaOne Developer Conference」で,Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)1.3準拠の統合開発環境「NetWeaver Developer Studio」を発表した。

 NetWeaver Developer Studioは,大規模な開発チームが必要とする開発プロセスのライフサイクル管理機能を備えており,企業におけるJavaアプリケーション導入の効率化とTCOの削減を支援する。オープンソースの開発環境「Eclipse Platform」を基盤とし,JavaやWebサービス関連の標準にも対応する。

 SAP社取締役会メンバーのShai Agassi氏は,「企業向けアプリケーションの設計,開発,導入,実行,監視には,堅牢かつ強固な開発インフラとアプリケーション・プラットフォームが必要だ。当社はSAP NetWeaverによって,Java開発者のよるミッション・クリティカルなアプリケーション開発をサポートする」と述べた。

 またSAP社は,Webアプリケーション・サーバー「Web Application Server」をJ2EE 1.3に対応させたことも明らかにした。Web Application Serverは,ポータル,ナレッジ管理,ビジネス・インテリジェンスなどの分野に向けたWebサービスとオープンな標準規格に対応する。そのほか,Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)ベースのモバイル向けWebサービス,Javaメッセージングを通じたビジネス・プロセス統合と管理,Java向けポータル開発キット,JCA準拠のコネクタやJava Metadata Interface(JMI)を用いたビジネス・インテリジェンス向けデータ統合などをサポートする。

 またSAP社は同日,SAP社製品とサードパーティ製品の統合認定を行う「SAP Integration and Certification Centers」を設立したことを明らかにした。同センターでは,Web Application Server上でサードパーティのJ2EEアプリケーションが正常に動作するかをはじめ,SAP社のソフトウエアとサードパーティ製品の統合などを検証する。

◎関連記事
SAPがEAIやポータルなどのミドルウエア製品を提供へ 
J2EEと開発プロセスRUPを「自分流」に使いこなす日本の開発者たち
米IBMのRational部門がJava開発者向け新製品とアップグレードを発表 
日本IBM,DB2やWebSphere付属の低価格Java開発支援ツールを出荷
米Borland,.NETとJ2EEの連携を可能にする開発ツール「Janeva」などを発表
米BEAがJavaアプリ・サーバーの新版「WebLogic Server 8.1」を発表
新人IT技術者のためのJavaプログラミング入門(上)
「J2EEアプリの開発をもっと簡単にしたい」---Strutsの開発者McClanahan氏に聞く

[発表資料へ]