米IBM社のRational部門は,Java開発者向けに2つの新製品「IBM Rational Rapid Developer」と「Rational XDE Tester」の開発プラットフォームへのアップグレードを米国時間5月20日に発表した。これは,2月に買収を完了した米Rational SoftwareがIBMから初めて発表する製品となる。

 6月にリリースが予定されているRationalの新製品は,ソフトウエア開発チームによる協調的なJava 2エンタープライズ・アプリケーション,ビジネス・アプリケーション,ソフトウエア製品,システム開発支援するもの。迅速なソフトウエア開発とアプリケーション機能のテスティングに焦点を当てている。

 Rational Rapid Developerは,ソフトウエア開発者が,迅速に高品質,スケーラブルなエンタープライズ・クラスのJ2EEビジネス・アプリケーションを構築するための開発環境。ビジュアル,モデル駆動型の開発環境で大半のコードの開発を自動化している。IBMの開発ツール・スイート「WebSphere Studio 5.0.」を補完する。

 Rational XDE Testerは,「IBM WebSphere Studio 5.0」と「Eclipse 2.0」内で実行される新しいテスト自動化ソリューション。JavaクライアントとWebベースのアプリケーションをテストする機能を提供する。

 また,同社の「Extended Development Experience」,「IBM Rational XDE Developer Plus(旧称:Rational XDE Professional Plus)」には,新機能や機能強化が加えられてアップグレードされる。「IBM Rational Suite」の最新版は,既にリリースされている。

 「IBM Rational Rapid Developer v2003」の米国向け価格は,ユーザー・ライセンスにつき5995ドル。「IBM Rational XDE Tester v2003」は2995ドル。「IBM Rational XDE Developer v2003」が,2995ドルで,「IBM Rational XDE Developer Plus」が4195ドル。「IBM Rational Suite v2003」は,ノード固定ライセンスで3995ドルから。米国以外の販売価格は条件により異なる。

 サポート契約をしているユーザーは,同年5月20日より同社WWWサイトからアップグレードのリクエストができる。アップグレードは6月末に出荷される。

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