日本IBMは今月中をメドに、Java開発者向けの支援ツールを出荷する。近々、正式に発表する予定だ。新製品の最大の特徴は、開発ツールやデータベース、Webアプリケーション・サーバーなど、Javaアプリケーションの開発に必要なソフト製品のライセンスを同梱すること。それぞれを個別に購入するよりも大幅に割安な価格にすることでマイクロソフトの.NETに対抗、中小規模のシステム案件への普及を目指す。

 新製品に含まれるソフト製品は、Webアプリケーションの開発ツール「WebSphere Studio」のほか、Webアプリケーション・サーバー「WebSphere」やデータベース製品の「DB2」、情報共有ソフトの「Lotusドミノ」、運用管理ソフトの「Tivoli」など多岐にわたる。

 Javaアプリケーションの開発を手掛けるソフトハウスは新製品を使うことで、WebSphereやDB2を別途購入する必要がなくなる。従来は、例えばWebSphereで動作するJavaアプリケーションの開発を手がける場合は開発用にWebSphereを購入しなければならず、特に中小のソフトハウスにとって費用面での負担が大きかった。

 なかでも日本IBMがターゲットとするのが、.NETへの移行を検討しているWindowsアプリケーションのユーザーだ。Javaアプリケーションの構築に必要なソフト製品に加えてJavaのサンプル・コードも同梱することで、VisualBasicのユーザーがJavaへ移りやすくする。新製品は、マイクロソフトがWindowsアプリケーションの開発者向けに提供している「MSDN」のIBM版に相当すると考えると分かりやすい。

 新製品の価格は、WebSphereやDB2、Lotusなどのライセンスを含んだ下位製品で、年額5万~6万円程度の見込み。金額は同梱する製品の種類により異なる。利用料金は1年単位で毎年徴収する。

大和田 尚孝=日経コンピュータ