米CSC(Computer Sciences Corporation)は米国時間5月13日,2003年会計年度第4四半期(1~3月期)決算を発表した。売上高は30億8000万ドルで,前年同期と比べ1.4%増加した。純利益は1億6270万ドル。これには,2003年3月に完了した米DynCorpの買収関連の税引き前費用520万ドルが含まれる。希薄化後の1株当たり利益は93セントで,アナリストの予測を1セント上回った。

 なおCSCは,2003会計年度から新会計基準SFAS 142を採用している。このため当期の決算には,営業権やいくつかの無形固定資産の償却など,一時的な費用は含まれていない。

 米国政府機関による収入は,前年同期比19%増の9億9380万ドル。DynCorp社の買収が,政府機関からの発注増に貢献した。また,為替差益によって欧州市場の売上高が増加し,ITサービス市場の軟調な需要を埋め合わせた。新規取引による収入は38億ドルとなった。

 2003会計年度通期の売上高は113億ドルで,前年度から約0.3%減少した。税引き前の費用520万ドルを含めた純利益は4億4020万ドルで,希薄化後の1株当たり利益は2.54ドルとなった。また通期における新規事業の収入は77億ドルだった。

 「IT世界市場が厳しい状況にあることを考えると,第4四半期の業績には満足している。今後も継続的にDynCorp社の資産統合を行うことで,米国政府機関のITサービスに対する需要増をビジネス・チャンスに結びつけることができる」(CSC,会長兼CEOのVan B. Honeycutt氏)

 また同氏は今後の見通しについて次のように述べている。「2004会計年度通期の売上高は143億ドル~147億ドル,希薄化後の1株当たり利益は2.78ドル~2.88ドルの範囲になる。2004会計年度第1四半期の売上高は前年同期と比べ約25%増加し,希薄化後の1株当たり利益は50セント~52セントと見込んでいる」(同氏)

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