米GartnerのDataquest社が米国時間8月20日に，2000年における世界のITサービス市場に関する調査結果を発表した。2000年の市場規模は売上高ベースで前年比9.7％増の6658億7000万ドルだった。1999年は6069億8200万ドル。
企業別にみると，首位は米IBMでシェア5.0％，売上高は前年比3.1％増の331億4800万ドルだった。2位は米EDSで，同3.2％増の192億2400万ドル。3位が富士通で，同5.8％増の132億9900万ドルだった。
成長率の大きかった企業としては，13.6％増の米Computer Sciences（4位），18.4％増の米Hewlett-Packard（8位），17.1％増のNTTデータ（10位）などが挙げられる。その他の企業全体の成長率は平均10.8％で，IBM社など上位企業は伸び率が下回ったため，シェアは縮小した。
上位10社の売上高合計は約1220億ドル。シェアの合計は18.4％にとどまっており，市場は多数の企業が林立している状態となっている。
Dataquest社のアナリストDean Blackmore氏は，「今後もこうした市場のフラグメンテーション（細分化）が進む」とみる。Blackmore氏によれば，現在米国市場だけで1万5000社を超えるITサービス企業がしのぎを削っているという。世界市場では上位400社のシェア合計が50％に満たない。また，この上位400社のほとんどが2000年にシェアを落としているという。詳しい調査結果は以下の通り。
■表 2000年 世界のITサービス市場 ベンダー別売上高トップ10 （推計値/単位：100万ドル)
| ベンダー | 1999年 | 2000年 | 2000年 | 99年-00年 |
| 売上高 | 売上高 | シェア | 成長率(%) | |
| IBM | 32,163 | 33,148 | 5.0 | 3.1 |
| EDS | 18,620 | 19,224 | 2.9 | 3.2 |
| 富士通 | 12,565 | 13,299 | 2.0 | 5.8 |
| Computer Sciences(CSC) | 9,200 | 10,448 | 1.6 | 13.6 |
| Accenture(Andersen Consulting) | 9,121 | 10,000 | 1.5 | 9.6 |
| Cap Gemini Ernst & Young | 8,164 | 7,772 | 1.1 | -4.8 |
| Xerox | 8,045 | 7,718 | 1.1 | -4.1 |
| Hewlett-Packard | 6,159 | 7,290 | 1.1 | 18.4 |
| Compaq | 6,623 | 6,696 | 1.0 | 1.1 |
| NTTデータ | 5,708 | 6,686 | 1.0 | 17.1 |
| その他 | 490,182 | 543,589 | 81.6 | 10.8 |
| 合計 | 606,982 | 665,870 | 100.0 | 9.7 |
出典： Gartner Dataquest社 (August 2001)
なお2001年の成長率については，同社が2001年5月に，「12.5％程度で成長する」との予測を発表している。2005年には1兆4000億ドルの規模へと大きく成長するという。
◎関連記事
■「世界の企業・団体の56％が2001年のIT予算の増額を予定」，米ガートナーの調査
■「欧州経済の減速で，世界IT支出は2001～2003年に最悪1500億ドル減少」と米IDC
■「世界ITサービス市場，2005年に1兆4000億ドルで現在の2倍」とデータクエスト
■「企業の65％は2001年のIT予算を増額」，米ガートナーの調査
