米Sun Microsystemsは,「動的ネットワークの問題を解決する目的で,当社の分散コンピューティング技術『Jini』を採用する企業が増えている」と,米国時間5月7日に発表した。

 JiniはSun社が開発した技術で,サービス間の通信を可能にする。Javaで記述されたプログラムなどが相互接続できるようになるので,ネットワーク上に分散して存在するJavaオブジェクトを連携させることができるという。

 Jini技術について,Sun社Java Webサービス担当副社長のMark Bauhaus氏は「大規模なJavaシステムのなかでも特に魅力的な部分」と説明する。「Jini技術をほかの一般的な開発スタイルと組み合わせて利用すると,Java開発者は動的なネットワーク・コンピューティング・システムを作成できる。新規または改良したサービスの製品化/導入/管理を迅速に行える」(同氏)

 なおSun社は,以下の企業や組織がJini技術を採用したと紹介している。米Heartlab,米Templar,米Valaran,米Cysive,Federated European Tourism Information Service Harmonization(FETISH)Federation。

 たとえばFETISHは,欧州全域に散らばる旅行市場にJini技術を適用し,複数のオンライン旅行サービス・プロバイダを集めたオンライン・コミュニティを作り上げた。Javaのウェブサービス用フレームワークでJiniを利用することで,異なる業者やさまざまなプラットフォーム上で提供されていた既存の旅行サービスを結合できたという。

 「Jini技術は,モバイル・コンピューティング,グリッド・コンピューティング,テレマティックス,生産自動化(IA)などの分野でも,次第に使われつつある」(Sun社)

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