米Sun Microsystemsは,「Grid Engine Portal」ポートレット技術をオープンソースの「Grid Engine Project」に提供することを,米国時間1月22日に発表した。同社はこれにより,グリッド・コンピューティング技術のオープン開発プロジェクトへのコミットメントを示した。

 同ポートレットは,同社の分散リソース管理(DRM)ソフトウエア「Sun Grid Engine」と「Sun ONE Portal」技術を統合したもの。リモートからグリッド・コンピューティングのリソースに安全なアクセスを提供する。企業や研究機関は,ファイアウオールの内外を問わず,どこからでもグリッド・リソースに容易かつ安全にアクセスできるようになる。

 特にコラボレーション環境においては,リモートのチーム・メンバー,パートナ,サプライヤに対して中央グリッドのリソースに安全なアクセスを提供するため,その真価が発揮される。

 今回の統合コードの貢献により,同社は,Grid Engineソフトを使ったグリッド環境において,インターネットをベースにしたアプリケーションとリソースへのアクセス可能にするJavaベースの機能を提供する。「Grid Engine Portal」ポートレットと「Sun ONE Portal Server」を組み合わせることにより,Grid Engineソフトへのトランスペアレントなインタフェースを通して,アプリケーションの実行が可能になる。また,ジョブ・ステータスの監視,シングル・クリックによるGrid Engine Portalへの入力ファイル・アップロード,ローカル・システムへの出力ファイルのダウンロードなども安全に実行できる。

 また,同社は同日に,「Grid Engine Project」に対して「Jobs Applications Manager(JAM)」のソースコードの貢献も発表している。JAMは,Jiniネットワーク技術をベースにするもので,Swiss Center for Scientific Computingとのコラボレーションで開発された。同技術は,研究者とコンピュータ科学者に,Jiniネットワーク技術と分散型リソース管理ツールの連結を実験するツール・キットを提供する。複数のグリッドと仮想化したリソースのシームレスな統合を支援する。

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