Sun Microsystemsが米国時間6月28日に,JavaとJiniを用いた分散ストレージ管理技術「Jiro Technology 1.0」の正式版をリリースした。Jiroはジャイロと発音する。

 同社は6月6日(米国時間)にプレビュー版を6月初旬にリリースしていた。。Sun社のサイトからダウンロードできる。

 「Jiro技術はSAN(Strage Area Network)管理を簡易化し,ネットワークにスケーラビリティを持たせる中核技術となるもの」(Sun社Network Storage部門担当副社長Denise Shiffman氏)。

 Jiro技術は,Java2をベースにしており,Fibre Channelベースのディスク・アレイ装置といったストレージ・システム,管理ソフトウエア,ネットワーク機器などの相互運用性を向上させる枠組みである。プラットフォームに依存しないストレージ管理が可能になる。ネットワーク型の記憶装置を対象とし,メーカが異なる複数のサーバ,記憶装置,周辺装置で構成したシステムの管理などに利用できる。

 Javaベースのコンポーネント・アーキテクチャや管理サービスを定義するための枠組み「Federated Management Architecture(FMA)」を実装した初めての製品という。分散ネットワーク環境で,専用の管理用サーバを配置せずにストレージ管理サービスを構築できる「FederatedBeans」のアーキテクチャを利用している。

 「Jiro Technology 1.0」には,ソース・コードのほかにランタイムの「Jiro Runtime」(Java 2 Standard Edition x1.2.2準拠)や開発キット「Jiro Software Development Kit」を含む。,開発者向けのソース・コードをSun Community Source License(SCSL)に基づき,WWWサイトで無償配布している。

 Sun社では,WWWベースのトレーニング・コースを2種類用意し,2000年夏に開講する予定である。またインストラクターによるトレーニングも2000年秋に開講する計画を立てている。

◎関連記事
Sun,分散ストレージ管理「Jiro 1.0」のプレビュー版をリリース
ネットワーク・ストレージ市場は今年ブレーク,2004年までに100億ドル規模

  • www.sun.comに掲載の発表資料