米Palm傘下の米PalmSourceと韓国のSamsung Electronicsがドイツのハノーバーで現地時間3月13日に,Palm OS 5搭載のGSM次世代スマートフォン「Mobile Information Terminals(MITs)SGH-i500」を発表した。

 MITs SGH-i500は,折り畳み型のきょう体を採用し,マルチメディアや各種無線機能を備える「初のPalm OS 5対応スマートフォン」(PalmSource社)。従来のPalm OSの機能に加え,マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)クライアント,WAP 2.0対応WWWブラウザなどに対応する。さらに,3バンドGPRS,33万画素のCMSデジタル・カメラ,6万5000色TFT液晶画面,ビデオ/オーディ/イメージ用のメディア・パックといった特徴を持つ。

 「Samsung社の携帯電話機市場における世界的な指導力と,Palm OSのパワーと柔軟性を組み合わせたことで,MITs SGH-i500のように革新的でありながら使いやすいスマートフォンの開発が可能となった」(PalmSource社社長兼CEOのDavid Nagel氏)

 Palm OS 5はPalm OSの最新版で,同版よりARM互換プロセサ対応となったPDA/スマートフォン向けOS。「セキュリティ,マルチメディア,無線ネットワーク機能を強化したよりよいユーザー・インタフェースを提供しながら,既存のPalm OSアプリケーションに対する互換性も備えている」(PalmSource社)

 同社によると,現在世界中で2500万台以上の機器がPalm OSを搭載しており,対応アプリケーション開発者の数は25万人以上,ソフトウエアの数は1万6000種以上になるという。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,MITs SGH-i500の発売時期についてSamsung社は,「2003年中に欧州で発売する計画だが,米国では当面リリース予定はない」と述べたという。ただし,米国で2003年第2四半期に,米Sprintを介し同携帯電話機のCDMA版「SPH-i500」を発売するとしている。また,製品の価格は未定という。

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