米IBM社と米E2open社は,顧客,サプライヤ,パートナなど複数企業に渡るビジネス・プロセスを統合するeビジネス・オンデマンド・ソリューションを共同で提供する。両社が米国時間3月6日に発表した。同ソリューションは,ハイテク,電子機器製造業者をターゲットにする。

 同ソリューションは,E2open社のアプリケーションとネットワーク・インフラをIBM社のeビジネス・ミドルウエア,ハードウエア,サービスと統合する。これにより,購入側と販売側のプロセス統合を支援するとともに,協調的かつ統合された取り引きコミュニティを迅速に作成する。これは,産業部門企業のサプライ・チェーンのニーズに応えるもので,まず最初にハイテクと電子機器業界をターゲットにする。

 従来の関連企業管理ソリューションには,事前の大規模な投資と長期的な実装サイクルが必要だった。また,パートナー企業それぞれに独自の特質があるため,大きな抵抗に直面していた。両社のソリューションは,グローバルな大規模な配備に必要な拡張性を提供する。また,既存のIT投資を活用することにより,事前の投資リスクが下がり,投資回収も早いため,企業は,迅速に企業間プロセスに参加できるようになる。

 同ソリューションは,商品が消費されると購入活動を行うオンデマンド機能を持つ。そのため,在庫ストックが20%削減し,運営コストも40%減少する。また新製品の市場投入までの時間も最高で20%早くなるという。

 顧客は,アプリケーション・レベルとインフラ・レベルの両方で統合を望んでいる。eビジネスのオンデマンド・ソリューションは,両レベルにおいてリアルタイムのコラボレーションを可能にする。それぞれの取り引きパートナが,内部のビジネス・プロセスとIT環境を守りながら,それぞれの形式で参加できるため,技術コストが節約できる。

 この新しい戦略的提携のもとに,同ソリューションは,IBM社のeServer pSeriesとxSeriesハードウエア向けに最適化される。データ管理には,IBM社のDB2データベース・ソフトウエアを使い,セキュリティと認証には,IBM傘下のTivoli Software社のSecurewayプラットフォームを使う。オプションとして,取り引きパートナは,低価格なWebサービスをベースとするインテグレーション・ツールキットにアクセスできる。同ツールキットは,IBM社のWebSphereをベースにしたミドルウエアで構築している。

 IBM Global ServicesのBusiness Consulting Services(BCS)は,コンサルティングとインテグレーション・サービスを提供する。また,両社は,IBM Lotus SoftwareとE2open技術を統合して最適化する製品も計画している。

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