IBMが、ミドルウエア戦略におけるパートナとの協業強化に躍起だ。米国では、中堅・中小企業向けミドルウエア・パッケージを発表した。日本でも昨年12月に、パートナ支援のコンピテンシ・センターを東京に開設した。米IBMソフトウエアグループ・ワールドワイドソフトウェアセールス&マーケティング担当副社長のドン・アトキンス氏に意気込みを聞いた。要旨は以下の3点。

◆IBMのソフトウエアグループは現在、中堅・中小企業市場にフォーカスしている。先に発表したExpressパッケージは、大企業向けに開発したソフトの機能を中堅・中小中小企業に提供するのが狙いだ。導入や使い勝手、アプリケーション開発を容易にする。しかし、製品は戦略の一部でしかない。パートナ・プログラムにより、Expressパッケージを使ったソリューションを共に開発していく。オートノミック(自律)コンピューティングの技術も、中堅・中小企業がいつでも利用できるよう技術として提供して計画だ。

◆ソリューションで重要なことはのは、LinuxでもUNIXでもWindowsでもなく、オープンなプラトホーム上に提供できるかどうかだ。東京に開設したソフトウェア・コンピテンス・センター(SWCOC)では、そこを検証する。昨年末のSWCOC開所式にはパートナ350社が参加した。パートナとIBMに大きなビジネス・チャンスがあることの現れだ。

◆2002年12月に買収を発表した米ラショナルソフトウエアの製品は、当社のオープンのコンセプトをさらに拡張するものだ。当社のe-ビジネス・オンデマンドなどの戦略を実現するために重要なツールになる。WebSphere、ロータス、チボリ、DB2に次ぐ第5のソフト・ブランドにする。五つのブランド製品は、共通の技術とコンポーネント上で提供されるので互いに補完関係にある。ユーザーが、より早く確実にソリューションを構築できるようになる。(森重)