半導体の業界リーダーが共同で開発を行う「Crolles2 Alliance」の共同研究開発(R&D)センターが,フランスのクロルに開設され,現地時間2月27日に開館式が行われた。式は,米Motorola社,オランダRoyal Philips Electronics社,イタリア・フランス合弁のSTMicroelectronics社の経営陣,地域の公共団体などが集まって行われ,Jacques Chirac仏大統領が開館を宣言した。

 「Crolles2 Alliance」の共同のR&Dセンターである施設は,5年間をかけて300ミリウェハでCMOS技術(90ナノメータから32ナノメータ)の開発を行う。同センターは,300mmウエーハ半導体の製造パイロット・ラインを設備しており,オペレーションを開始している。

 Crolles2 Allianceは,2002年4月に,Royal Philips Electronics社とSTMicroelectronics社の提携関係にMotorola社が加わって設立された。台湾の半導体製造大手Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)もプロセス開発と技術調整で参加している。同施設の本館とインフラが整い,設備機器の設置が行われている。3社による2005年までの施設投資額は,合計で14億ドルが予定されている。

 Crolles2は,将来の半導体技術を開発し,システム・オン・チップ(SoC)ソリューション製造をより迅速化/低コスト化することを目的としている。SoCの超小型化は,消費者,通信,自動車業界によってけん引されている。90nmと次世代のプロセス技術は,0.13ミクロン技術と比べて速度,消費電力,統合,密度などを改良する。これらの改良は,コストを削減し,DVDプレイヤ,セットトップ・ボックス,パーソナル・ビデオ・レコーダ,PC周辺機器,3G/4G携帯電話など新製品の市場投入までの時間を短縮を狙う。

 Crolles2 Allianceは,すでに3社から450名のエンジニア,研究者を迎えている。2005年末までに,同施設において1200人を越える直接的な雇用を生み,同地域においても4500人を越える間接的な雇用を生むと予測される。

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