米Motorola,オランダRoyal Philips Electronics,イタリア・フランス合弁のSTMicroelectronicsが現地時間8月27日に,システム・オンチップ(SoC:system-on-chip)ソリューション向けに90ナノメータ(0.09ミクロン)CMOS設計プラットフォームとセル・ライブラリの提供を発表した。これを受け設計者は,低消費電力,無線,ネットワーキング,消費者向け高速アプリケーションなどの分野で次世代SoC製品の開発を開始できる,としている。

 新しいCMOS設計プラットフォームは,複数の機能と90ナノメータ製造技術を用いている。特に複数のしきい値をベースとしたライブラリ・エレメントは,設計レベルで選択でき同一の設計ブロックで使用できるため,プラットフォームのユーザーは柔軟にパフォーマンスと消費電力を最適化できるという。また,この機能により高性能で電源に制約がある製品向けチップの開発の高速化も可能になる。

 ライブラリ・プラットフォームの概要は次の通り。
・パフォーマンスと集積率向上のため別々に最適化された2つの標準セル・ライブラリ。1000を超えるセルから選択可能。400Kゲート/mm2を超える集積率を達成し,内部コアの電源電圧は1.0Vか1.2Vに対応。
・1.8V,2.5V,3.3VのI/Oセル
・6T-SRAMを含め高集積の組み込みメモリにより,1.6~1.2 mm2/Mビットの密度,デュアル・ポート,レジスタ・ファイル,ROMコンパイラが可能

 SOI(silicon-on-insulator:シリコン/絶縁膜構造)バージョンと高性能の統合型受動装置を含む拡張製品の提供も近々予定している。

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