米Microsoftのインターネット事業であるMSNは,「Pocket PC」搭載のスマートフォンなどに向けに多機能モバイル・データ・サービス「Pocket MSN」を提供する。Microsoft社がフランスで開催中の「3GSM World Congress 2003」で現地時間2月17日に明らかにしたもの。

 Pocket MSNは,Microsoft社のデータ・センターからモバイル通信事業者を介して提供するサービス。SMS(ショート・メッセージング・サービス)のほか,1xRTT,GPRS(General Packet Radio Service),第3世代(3G)ネットワークといったパケット・ネットワークに対応する。

 同サービスでは,新しいメッセージが届いたり,ユーザーがサービスを利用するときだけ接続を行うため,常時接続の必要がない。また,更新されたデータしか受信しないため,モバイル事業者はネットワーク・トラフィックを削減でき,ユーザーは接続時間に応じて支払う利用料金を減らすことができる。

 「HotmailやMSN Messengerにワン・クリックでアクセスできるほか,ニュース,スポーツ情報,天気予報などを提供する『MSN Alerts』などのMSNサービスも利用できる」(Microsoft社)

 Microsoft社はモバイル通信事業者を通してPocket MSNを提供する。欧州ではドイツT-Mobile Internationalが年内にサービスを開始する予定である。

 このほかの主な特徴は次の通り。

・統合型アプリケーション:Pocket PCやスマートフォンの受信箱を使って,HotmailやMSN Alertsなどのサービスを利用できる。また,MSN Messengerのコンタクト・リストに登録されたユーザーがインスタント・メッセージを受信できないときは,Hotmailを通じて電子メールを送信できる。

・オフライン・サービス:ユーザーはオフラインで,Hotmailメッセージにアクセスしたり,返信メッセージを作成できる。

・カスタマイズ機能:受信するHotmailメッセージを,送信者,件名,メッセージ容量に応じてフィルタリングできる。また,コンタクト・リストの任意のユーザーに関して,オンライン通知の有無を選択可能。

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