米Microsoftは,メッセージング/PIMサーバー「Microsoft Exchange Server」の次期版「Titanium」(開発コード名)のベータ2版を直ちに利用可能とするとともに,正式名称を「Exchange Server 2003」にすると米国時間1月6日,発表した。

 Exchange Server 2003とクライアント・ソフトウエア「Outlook 11」は,いずれも2003年中ごろのリリースを予定する。Exchange Server 2003のテスト用コードのダウンロードやCD-ROMキットの注文は,Microsoft社のWebサイトで行える。

 Exchange Server 2003の主な内容は以下の通り。

●生産性向上
・新たなキャッシュ動作モードを備え,バックグラウンドでユーザーの情報を透過的かつ常時同期することで,時間の節約を図る。

・Outlook 11のユーザー・インタフェースの改善,検索フォルダ,従来より40%以上多くの情報を表示可能な画面の採用により,情報の管理が行いやすくなった。

・Exchange ServerとOutlookとのあいだの通信に使用するMAPIを強化し,クライアントとサーバー間のトラフィック量削減とデータ圧縮を実現することで,電子メール処理のパフォーマンスを改善した。さらに,セキュリティを確保したHTTP上でMAPIを利用するので,遠隔地から通信を行う場合でも複雑でコストのかかるVPNを使用する必要がなくなる。

・Outlook Web Access機能を強化したことで,Webブラウザなどデスクトップ・クライアントの備えるほぼすべての機能を提供する。

・Outlook Mobile Accessによる無線接続機能に対応するほか,iMode/cHTML/WAP 2.0対応モバイル機器や,Windows Powered Pocket PCおよびSmartPhone機器からも利用できる。

■信頼性向上
・Windows .NET Server 2003のVolume Shadow Copyサービスを組み込んでおり,Exchangeサーバーのバックアップとリストアにかかる時間を実質的にほとんどなくすことができるという。

・Windows .NET Server 2003は最大8ノードのクラスタに対応可能。

・Active Directory用導入検証ツールとActive Directory Connector Wizardにより,顧客は既存のインフラを分析し,環境をExchange Server 2003にアップグレードするための準備作業を自動化できる。

・Microsoft Operations Manager用のExchange Management Packを備え,システムの監視を自動化する。

・Outlook,Outlook Web Access,Outlook Mobile Accessの設定を集中管理できる。

■セキュリティ向上
・Outlook Web Accessで新たにセキュリティ・プロトコルS/MIMEに対応し,安全性侵害の可能性を大幅に小さくする。

・不要なメッセージをフィルタリングしたり,スパム・メッセージをブロックしたりする機能により,ジャンク・メールを排除する。

・VSAPI(Virus Scanning API)を強化し,Exchange用メールボックスを持たないExchangeサーバーでアンチウイルス・ベンダーの製品を動作可能とした。これにより,メールボックスに入るとすぐに悪影響をおよぼすコードを排除できる。

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