米Pixim社は,米アリゾナで開催中の「IDG Executive Forum's DEMO」カンファレンスにて「D2000 Video Imaging System」を米国時間2月17日に発表した。同システムは,「Digital Pixel System(DPS)」技術をベースとしており,カメラが画像を捉えた時点で,直ちにアナログ信号をデジタル形式に変換する。そのため,格段に画像品質が改良されるという。
すでに,セキュリティ・カメラ市場のリーダーである日本ビクター,Silent Witness社,Pelco社,EverFocus社,Baxall社が次世代セキュリティ・カメラに,Pixim社のD2000 Video Imaging Systemを組み込むことで合意している。
従来のイメージング技術では,複数の段階を経て画像のデジタル化と保存をしていたが,生成結果は暗く,品質が落ちていた。DPS技術では,光を捉えた時点でリアルタイムにデジタル化する。同技術により,イメージ上のもっとも明るい部分と暗い部分の差において対応できる範囲(ダイナミック・レンジ)が拡大され,カメラはより明確でリアルに表示できるようになった。
2000 Video Imaging Systemは,画像キャプチャ向けと画像処理,カメラ・インタフェース向けの2つのチップ,最適化されたソフトウエアで構成され,製造業者が高品質ビデオ・カメラを構築できるような設定が行われている。それぞれのピクセルがアナログからデジタルへのコンバータを持ち,それぞれのピクセルがカメラのような働きをすることにより,適切な光向けに最適化する。同ソリューションは,どのような照明条件でも高品質な画像を提供する。
監視カメラは,1カ所で多様な照明条件にさらされる場所に置かれるため,セキュリティ業界にとって,ダイナミック・レンジは特に重要である。実社会の工業地域,倉庫などの照明条件は,日光と人工照明にさらされ,銀行,空港ロビーなどは,日光と内部照明の両方が組み合わされる。DPSプラットフォームをベースにしたD2000 Video Imaging Systemは,理想的な照明条件下にない状態で品質の高いイメージを生成するとともに,より効果的な物理的セキュリティ・システムにより,より速いアクセスが可能となっている。
調査会社In-Stat/MDRの報告によれば,毎年のセキュリティ・カメラの売れ行きは,消費者向けカムコーダの販売台数とほぼ同じだという。「過去18カ月間に,公衆とプライベート部門の両方でセキュリティ・カメラの需要が大幅に増加した。同市場は,明らかに上向き状態にあり,引き続き成長を続けて2004年には1520万台のセキュリティ・カメラが販売される」(同社のシニア・アナリストのBrian O'Rourke氏)
「同技術は,セキュリティ分野に向けて新しいイメージングの可能性の提示しただけでなく,医療,軍事,自動車,消費者向けアプリケーションなどさまざまな分野に向けて発展すると確信している」(同社のCEOのBob Weinschenk氏)
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