米Lucent Technologiesが米国時間1月22日に,2003会計年度第1四半期(2002年10月~12月期)の決算を発表した。売上高は20億8000万ドルで,前期の22億8000万ドルから9%減少,前年同期の35億8000万ドルから大幅に落ち込んだ。なお,Lucent社は当期の売上高が前期比で横ばいか10%減になると予測していた。

 会計原則(GAAP)に基づく純損失は2億6400万ドル(1株当り損失11セント)だった。前期の28億1000万ドル(1株当たり損失84セント)と前年同期の4億2300万ドル(1株当たり損失14セント)に比べると,赤字幅は縮小している。

 Lucent社CEOのPatricia Russo氏によると,「売上高は減少したものの,粗利率の向上や費用削減など,収益増加に向けた取り組みは順調に進んでいる。また,10月~12月期に新たに20件の契約を獲得したため,2003会計年度第2四半期(2003年1月~3月期)は売上高が大幅に伸びる見通しだ」という。同社は新規契約により,約15億ドルの売上高を見込んでいる。

 また,同社CFOのFrank D'Amelio氏は,「今後もコスト削減と経費構造の改良に努め,2003会計年度中に損益分岐点に相当する四半期売上高25億ドルを達成するつもりだ。1月~3月期は実施してきたリストラ策などが効果をあらわし,粗利率が成長するだろう」と予測した。

 10月~12月期の粗利率は22%で,前期の-15%から37ポイント上昇した。前期は在庫関連費用,長期契約の調整費用,顧客による債務不履行などから,7億ドルの特別費用が発生していた。なお前年同期の粗利率は12%だった。

 営業費用は7億6600万ドル。前期はリストラ費用,顧客による債務不履行,資産減損などの費用がかさみ,24億5000万ドルだった。また,当期にコスト削減を実施し,貸倒準備金や融資額を減らしたことが,営業費用の削減に貢献した。

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