米Lucent Technologiesは2002年7月~9月期(2002会計年度第4四半期)と同会計年度通算の決算を米国時間10月23日,発表した。同期における特別費用を除いた売上高は22億8000万ドルを計上し,前年同期の47億5000万からおよそ52%減少した。また前期の29億5000万ドルからは約23%の減収となった。

 同期における特別費用を除いた,継続事業による1株当たり損失は64セントだった。この内,38セントは,顧客の債務不履行,市場予測の修正を考慮した在庫とその他の資産減損による費用増が関連している。前期は,1株当たり1.88ドルの損失を計上しており,これには,繰延税資産の評価引当金を増やすための非現金費用として1株当たり1.72ドルが含まれていた。前年同期は,同条件における1株当たり損失は28セントだった。

 純損失は,28億1000万ドルで1株当たりの損失は84セントだった。前年同期には,88億ドルで1株当たり2.59ドルの損失だった。

 「最優先事項は同社の生産性を2003会計年度末までに回復させることにある。同年度末までに四半期の損益分岐点売上として25億ドルを達成するために,コスト削減と経費構造の改良を実施している」(Lucent社CEOの Patricia Russo氏)

 通年で見ると,特別経費を除く売上高は前年同期の193億ドルから37%減の122億ドルとなった。同条件における継続事業からの損失は,前年の1.50ドルに対して,1株当たり2.95ドルだった。同年の純損失は118億ドルで,1株当たり3.49ドルだった。前年の純損失162億ドルで1株当たり4.77ドルの損失からは改善されている。

 同年において,経営成績は低下しているが,営業経費の40億ドル削減やおよそ40億ドルの運営資本の増加に成功している。従業員数は,同年9月30日の時点でおよそ4万7000人だったが,進行中のリストラに加え,10月11日にさらに1万人の解雇が発表された。その結果,2003年会計年度末までにおよそ3万5000人に縮小されることになる。

 2003会計年度の予測として,第1四半期には引き続き市場の低迷の影響を受けて売上高は同レベルからおよそ10%減少すると見ているが,利益高は改善するという。市場全体の改善は予測していないが,同社は第2四半期には売上高が増加しておよそ25億ドルを達成すると推測している。

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