米Cisco Systemsは2003会計年度第1四半期(2002年8月~10月期)の決算を米国時間11月6日,発表した。売上高は48億ドルで前年同期の44億ドルと比べて9%増加,前期からは横ばいとなった。GAAP(会計原則)ベースの純利益は6億1800万ドル(1株当たり利益は8セント)で,前年同期の純損失2億6800万ドル(1株当たり損失は4セント)から黒字に回復。しかし,前期の純利益7億7200万ドル(1株当たり利益は10セント)からは減益となった。

 一時的な費用を除いた場合,2002年8月~10月期の純利益は10億ドル(1株当たり利益は14セント)。前年同期は3億3200万ドル(同4セント),前期は10億ドル(同14セント)だった。

 ちなみにCisco社は当期に米AYR Networksの買収を完了している。買収総額は約9700万ドルである。

 Cisco社CEOのJohn Chambers氏は,「厳しい市況にありながら,堅実な四半期を終えることができた。前年同期と比べて大幅に利益が回復し,粗利率,市場シェア,売上高が向上した」と述べた。また,「ビジネスに活気が戻れば,支出も回復する。我が社は伝統的市場だけでなく,ネットワーク・ストレージ,セキュリティ,無線LAN,IPテレフォニといった新たな成長市場に向けて体制を整えている」(同氏)と付け加えた。

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