米Oracleが米国時間1月20日に,アプリケーション・サーバー「Oracle9i Application Server(AS)」の新機能「OmniPortlet」と「Web Clipping」を発表した。Webサービス,スプレッドシート,WWWサイトなどのデータを統合して利用する機能である。

 OmniPortletにより,ユーザーはWebサービスやXMLデータ,スプレッドシート・データなどを利用し,報告書,グラフ,ニュースなどに取り入れることができる。OmniPortletで取得したデータは,ポータル・ページ内の小さいウインドウに表示される。例えば,人事部門,製造部門,営業部門,マーケティング部門からデータを取り寄せ,CEO,CFO,CIOなどの幹部向けレポートに円グラフなどの画像形式で表示することが可能。「これまでは,Webサービスなどから取得したデータをこのように表示するには,SOAPやWSDLといった言語を利用した複雑な作業が必要だった」(Oracle社)

 Web Clippingは,社内のさまざまなWWWサイトのコンテンツや機能を一つのポータル・サイトに統合する機能。テキストや画像などのWWWベースのコンテンツを抽出し,ポータル・ページ内の小さいウインドウに表示する。

 「ポータル・サイトは,単に情報を表示する手段から,戦略的ビジネス・ツールへの発展しつつある。パートナ企業,顧客,サプライヤとビジネスを進めるための安全で時宜を得た手法を提供する」(Oracle社Portals and Hosted Tools部門バイス・プレジデントのMarco Tilli氏)

 OmniPortletとWeb Clippingは,開発者キット「Oracle9i Application Server Portal Developer Kit」に含まれる。同キットは,Oracle社の「Oracle Technology Network」サイトより直ちに無償提供する。また,2003年前半にリリース予定の「Oracle9i Application Server Release 2, version 9.0.4」に両機能を組み込む。

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