米GartnerのDataquestが米国時間11月11日に,2002年第3四半期の世界ワークステーション市場に関する調査結果の速報を発表した。それによると,2002年第3四半期におけるワークステーションの出荷台数は36万7710台で,前年同期と比べ6.5%増,前期からは1.8%増加した。

 「2四半期連続で出荷台数が伸びた。それまでは,5四半期連続で前年同期と比べて出荷台数が減少した」(Dataquest社)

 しかしDataquest社Comupting Platform Worldwide部門ワークステーション担当主席アナリストのPia Rieppo氏は,「第3四半期の出荷台数は,記録的な2000年の数字にはほど遠い」と指摘する。「2四半期連続してわずかに伸びをみせたが,ワークステーション市場が危機から完全に脱したとは言い難い。経済は活気を取り戻しておらず,IT責任者は相変わらず支出を控えている。ワークステーション関連の注目すべき新技術も登場していない」(Rieppo氏)

 世界市場では,米Dell Computerが首位メーカーの地位を維持した。40%以上の市場シェアを獲得し,他社をさらに引き離した。米IBMは米Sun Microsystemsから3位の座を奪った。

■2002年第3四半期における世界ワークステーション市場のメーカー別出荷台数(速報)
(単位:台)

                  2002年Q3    2002年Q3   2001年Q3    2001年Q3
                  出荷台数   市場シェア  出荷台数   市場シェア  伸び率
メーカー                       (%)                 (%)    (%)
---------------------------------------------------------------------
Dell               149,004      40.5      115,241      33.4      29.3
Hewlett-Packard     81,125      22.1       90,356      26.2     -10.2
IBM                 56,442      15.3       46,117      13.4      22.4
Sun Microsystems    52,774      14.4       58,788      17.0     -10.2
Fujitsu Siemens     11,782       3.2        5,895       1.7      99.9
その他              16,583       4.5       28,759       8.3     -42.3
合計               367,710     100.0      345,156     100.0       6.5
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出典:Dataquest社

 Dell社のワークステーションは3種類のモデルしかないシンプルなラインアップだ。「他社は幅広い製品と複数のソリューションを用意しているが,そのための労力と費用がふくれあがっている。Dell社のシンプルなアプローチが,現在の経済状況で成功をおさめている」(Rieppo氏)

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