PKI(公開鍵インフラ)/電子証明書技術などの普及を図る業界団体PKI Forumが,XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)の傘下に入る。OASISが米国時間11月4日に明らかにしたもの。

 PKI Forumは1999年に発足した団体で,PKIアプリケーションや電子証明書の普及促進のほか,業界標準に関する複数ベンダー製品の試験や教育活動を通じ,相互接続性の向上を目的として活動を行っていた。

 OASISは「OASIS PKI Member Section」と呼ぶ部門を設立し,PKI Forumが行ってきた活動を継続させる。「eビジネスやWebサービス・アプリケーションにおける安全な取引実現の基盤として,PKIの利用/応用を推進する」(OASIS)

 OASIS PKI Member Sectionの新設により,PKI ForumのメンバーはOASISに加入し,OASISで進めている技術的作業のすべてに参加可能となる。

 OASIS議長兼CEOのPatrick Gannon氏は,「さまざまなセキュリティ標準間の協調と相互接続性が,Webサービス成功の鍵となる要素だ」と述べる。「PKIの適用をOASISが策定するほかのWebサービスおよびeビジネス・セキュリティ標準と合わせて進めることにより,セキュリティを重要視しているあらゆる企業にとって,こうした活動への参加が容易になる」(同氏)

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