XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)は,Webサービスで利用可能なXMLベースのデジタル署名/暗号化タイムスタンプ仕様を検討する技術委員会「OASIS Digital Signature Services Technical Committee(TC)」 を発足させた。OASISが米国時間10月24日に明らかにしたもの。

 同技術委員会が開発する仕様により,Webサービスで電子署名の生成および検証が可能となる。さらに,与えられた署名が秘密鍵の有効期間内に生成されたことを確認する技術も提供する。

 米EntrustのRobert Zuccherato氏(OASIS Digital Signature Services TCの議長に就任)は,「電子署名とタイムスタンプは,オンライン・ビジネス取引で必要とされる長期的な保全性/証跡性を提供できる」と説明する。

 「当技術委員会の活動により,どのような組織が取引に参加し,いつ取引が行われたのかを特定できるようになる。同時に,電子署名が施された以降に取引の情報が変更されていないことも保証できる。これらはすべて,重要な取引には欠かせない要素だ」(同氏)

 なお,OASIS Digital Signature Services TCの発足に参加した主な企業/組織は以下の通り。Entrust社,アイルランドIONA,米国商務省の国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology),米webMethods,米TIBCO Software,米Verisign。

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