米Eastman Kodak社が米国時間10月24日に2002年第3四半期の決算報告を発表した。同期における純利益は1株当たり1.15ドルだった。一時的損益項目を除外すると,1株当たり1.04ドルの純利益となった。同会計年度におけるこれまでの9カ月間の経営キャッシュ・フローは,前年同期から6億8600万ドル増加している。また,同社は,同期に経費削減のためにおよそ1000人の従業員を解雇しており,第4四半期と2003年にかけてさらに経費削減を予定している。

 同四半期の売上高は,前年同期の33億800万ドルに対して1%増の33億5400万ドルとなった。為替変動の影響を除外すると,売上高は前年同期から1%減少した。純利益は,前年同期の9600万ドル(1株当たり33セント)に対して,同期は3億3400万ドル(同1.15ドル)だった。

 日本子会社のフォトフィニッシング事業のリストラによる一時的税効果や,ベンチャ投資に関わる一時的資産の減損を除外すると,純利益は,3億400万ドル(1株当たり1.04ドル)だった。前年同期の純利益は,事業再構築引当等特別損益を除いた場合に1億5200万ドル(1株当たり52セント)だった。

 「1月に約束した通り,わが社は利益の回復を軌道に乗せるために計画を実行している。キャッシュ・フローの増加,コスト節減,市場シェアの維持,生産性の改善に焦点を当てることにより,長期的な展望に基づいて経営を行っている」(会長兼CEOのDaniel A. Carp氏)。

 同期における経営キャッシュ・フローは,前年同期の2500万ドルに対して3億4100万ドルを計上している。配当金の支払いが四半期ごとではなく,半期ごとに変更されたが,この変更がなかった場合には,増加幅は1億5900万ドルに留まっていた。配当金の支払い時期が変更されたため,配当金として前年同期の1億2800万ドルに対して,同期には2億6200万ドル支払っている。

 同年第3四半期までの9カ月間は,経営キャッシュ・フローとして5億9100万ドルを計上しており,前年同期のマイナス9500万ドルから6億8600万ドル増加している。配当金支払い時期の変更による影響を考慮しない場合には,増加は5億6400万ドルとなる。U.S.GAAPが定めている営業活動による純現金収支は,9月30日までの9カ月間で,12億9900万ドルだった。

 負債は前年同期に比べて7億5100万ドル減少して27億4200万ドルとなった。対資本負債比率は前年の51.3%から44.7%に低下した。

 通常,第3四半期から4四半期にかけて粗利益が4%ほど低下するため,同社は,第4四半期の業績予測として,1株当たり60~70セントの経営収益を予測している。

 また,通年の経営収益は1株当たり2.62~2.72ドルの範囲になると予測している。キャッシュ・フローは,年度開始時に4億ドルを予測していたが,少なくとも7億ドルになると予測される。

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