米Eastman Kodak社が米国時間2月5日に,韓国Samsung SDIとNECのジョイント・ベンチャーであるSamsung NEC Mobile Display社(SNMD)に,同社の有機LEDディスプレイ技術に関する使用ライセンスを,制限付きで供与することを発表した。これを受けてSNMDは,特定モデルの携帯電話向けに,単純マトリクス方式のフルカラー有機LEDディスプレイ・デバイスの製造と販売を開始する。

 契約をもとに,Kodak社はSNMDに有機LEDの製造プロセスとデバイス構造を含む,Kodakディスプレイ技術に対する非専属的な権利を与える。SNMDには,一定台数の単純マトリクス方式のカラー・ディスプレイの製造が許可される。SNMDは,2001年にNECが販売した携帯電話の大半に搭載されたディスプレイを供給している。

 「友好的な合意に達し,我々が抱えていた第3世代携帯電話のディスプレイに関する特許問題を解決できて喜ばしく思う」(Kodak社Display Productsの社長Leslie Polgar氏)。

 Kodak社は,有機LEDに関する数多くの特許を保有しており,SNMD以外にもSamsung SDI,NEC,DENSO,Magin,Lite Array,Nippon Seiki,Pioneer,Rohm,Ritek,TDK,TECO Electric & Machinery,三洋電機などにも有機LEDに関するライセンスを供与している。

 またKodak社は,アクティブ・マトリクス方式ディスプレイ量産に向け,三洋電機との合弁会社「SK Display」社の設立を先月発表している。合弁会社は,親会社向けにディスプレイを供給する。

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