カナダのNortel Networksが米国時間10月8日に,ファイアウオール・システムの新モデル「Alteon Switched Firewall 5710」「同5408」「同5100」を発表した。3モデルともすでに利用可能となっている。

 「企業やサービス・プロバイダの顧客に対し,不正アクセス/ウイルスの感染/ハッカーの攻撃/悪意のあるコードの実行/外部からのネットワーク破壊といった行為を阻止するための,より柔軟な手段を提供する」(Nortel社)

 Alteon Switched Firewall製品系列は全モデルで,イスラエルのCheck Point Software Technologiesの「FireWall-1 Next Generation」を採用している。これにより,「業界でもトップ・クラスのセキュリティを,マルチGビットのスループットで提供できる」(Nortel社)という。

 Alteon Switched Firewallの新モデルでは,仮想ファイアウオールと仮想LAN機能にも対応する。これらの機能を使うことで,一つの企業内であっても,部門ごとに異なるセキュリティ・ポリシーを適用でき,より細かく粒度の高いセキュリティを運用できるようになる。

 また,複数の接続を1本にまとめるMulti Link Trunking(MLT)機能を備えており,ルーターやレイヤー2ファンアウト・スイッチなどのフロントエンド機器で帯域幅集約を提供できる。ネットワークの冗長性を高め,すべてのポートを一つのグループとして扱うことで,全般的な帯域幅を広げられる。

 新モデル3機種の概要は以下の通り。

・Alteon Switched Firewall 5710:大企業およびキャリア向け。4Gbps以上のスループットで,同時に100万セッション,毎秒3万2000セッションの処理が可能。ビデオ・オン・デマンドやVoIPなど広帯域の運用に対応する。

・Alteon Switched Firewall 5408:必要とするセッション数は同5710より少なく,Gビット接続を必要としない中規模企業向け。同時に17万セッションを600Mbpsで処理できる。一時的なトラフィック増加にも対応可能。ファイアウオールの負荷バランス調整と動作状態確認用の機能を内蔵する。

・Alteon Switched Firewall 5100:エントリ・レベルのモデル。ネットワークの負荷が高くなった場合には,「Firewall Accelerator」を追加することで処理性能を高めることができる。

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