米Gartnerは米国時間10月9日に,インターネットを介して請求書発行や支払いを行うアプリケーションの普及状況に関して調査した結果を発表した。それによると,オンライン請求書発行/決済アプリケーションを利用する米国の成人消費者は,2001年の16%から2002年末には22%,また2005年末には45%に達する見通しだという。

 Gartner社副社長兼リサーチ・ディレクタのAvivah Litan氏は,「とりわけクレジット・カード業界で急速に普及が進んでいる。クレジット・カード会社は,毎月発行する請求書をさらに進化させ,ユーザーによるオンラインの口座管理を可能にした。ユーザーはWWWベースのアプリケーションによって,いつでも自由に口座の最新データにアクセスできる。このため,毎月送られてきていた紙の請求書より,はるかに利用価値が高い」と説明した。

 消費者は請求主のWWWサイトで直接請求書を閲覧する方法を好む。取引銀行やサービス・プロバイダのWWWサイトで請求書を閲覧する統合サービスは,主な請求書を2~3件しか閲覧できないからだ。このため,「消費者が請求主と直接やり取りできるアプリケーションは,請求書を統合するモデルより,少なくとも20倍のユーザーに普及している」(Litan氏)という。

 現在,オンラインで請求書の発行/閲覧が可能なWWWサイトの開発や,サイトにおける顧客サービス機能の提供に最も精力的に取り組んでいるのは,クレジット・カード会社や電気通信企業である。

 また消費者は,電子財布や身元確認を行うデータベースに保管されている個人情報が安全だとは考えておらず,これらのサービスに対する不信感が概して強いことが分かった。「消費者は身元確認サービスが提供する利便性よりも,プライバシとセキュリティを重要視している。同サービスは,複数のWWWサイトで繰り返し同じ情報を登録する必要がないことを売り込んでいる。しかし消費者は,プライバシを守るためであれば,この登録プロセスもやむを得ないと考えている」(Litan氏)

 なお,消費者があえて電子財布や身元確認サービスを利用する場合,サービス・プロバイダとして最も信頼を寄せているのは銀行である。

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