トレンドマイクロの米国法人Trend Microは,ウイルス撃退ソフトの顧客サポートにSLA(Service Level Agreement)を導入したと米国時間10月7日,発表した。「Virus Response SLA」と呼ぶもので,「顧客の届け出から2時間以内にパターン・ファイルを提供できない場合は違約金を支払う」(同社)という。

 SLAとはサービス品質保証契約のこと。サービス品質を示す指標を掲げて「その基準値を維持することを顧客に保証する,また違反した場合は定率で返金する」という契約形態である。一般的にはネットワーク・サービス提供者が導入しているが,「これをコンテンツ・セキュリティ/ウイルス撃退ソフトのサポート・サービスに提供するのはTrend Micro社が初めて」(同社)という。
 
 Virus Response SLAでは以下のことを保証する。

1.顧客からウイルスに関する届け出があった場合は,同社の研究施設/サポート・センターであるTrendLabsで直ちに調査し,ウイルスであるか否かについて検証する。

2.ウイルスだった場合,届け出の2時間以内に試験済みのパターン・ファイルを提供する。またそのパターン・ファイルがウイルスを確実にスキャンできることを保証する。

3.“2時間以内”という約束が守られない場合はTrend Micro社が違約金を支払う。

 なお,件数の上限を設けないため,顧客は何度でもTrend Micro社に届け出ることができるという。同SLAの対象となるのはサポート・プログラム「Premium Support Program」の「Gold」レベル以上となる。

 違約金の額については明らかにしていないが,同社プロダクト・マネージャのBob Hansmann氏が,米InfoWorldに語ったところによると,「Gold」レベルで1000ドル,「Platinum」レベルで2000ドル,「Diamond」レベルで3000ドルとなる(掲載記事)。ただし,これらサポート・プログラムの料金は現時点では明らかにしていない。

 同プログラムの当初の販売地域は,米大陸,アジア,日本となる。また,同社では欧州でも同様のプログラムを始める計画を立てているという。

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