日立製作所と三菱電機は10月3日,システムLSI事業に焦点を当てた半導体新会社を2003年4月1日に設立することで基本的合意に達したと発表した。新会社の名称は「ルネサステクノロジ」。出資比率は,日立が275万株(55%),三菱が225万株(45%)。

 両社は2002年3月18日より,システムLSI事業の統合に向けて協議を進めていた。

 両社は,会社分割制度を利用した分社型共同新設分割により新会社を設立し,マイクロコンピュータ,ロジック,アナログ,ディスクリート半導体,DRAMを除くメモリー(フラッシュメモリーやSRAM)などの半導体事業を新会社に移管する。

 新会社の会長兼CEOには現三菱専務取締役半導体事業本部長の長澤紘一氏が,社長件COOには現日立上席常務半導体グループ長兼CEOの伊藤達氏が就任する予定。新会社設立と同時に国内における両社の販売およびサービス部門を統合し,「開発,設計,製造から販売,サービスに至る一貫した体制を確立する」(両社)

 新会社の主な目標は以下の通り。

1)システムLSIの核となるマイクロ・コントローラで安定した事業基盤を確保。

2)両社が得意とするアナログ,フラッシュ・メモリー, ディスクリート半導体を拡充。

3)システム・オン・チップ(SoC)事業において,マイクロコンピュータ,ロジック,アナログを組み合わせた複合製品で成長市場を開拓。特にモバイル,ネットワーク,自動車,デジタル家電分野を狙う。

 新会社の初年度の売上高は,9000億円以上を目指す。新会社のブランド名には「ルネサス」(RENESAS:Renaissance Semiconductor for Advanced Solutions)を用いる。

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