米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)が米国時間7月1日に,2002年5月の世界半導体市場に関する調査結果を発表した。5月における世界市場の売上高は113億7000万ドルで,4月の110億7000万ドルと比べて2.8%増加した。計算用を除くすべてのカテゴリが世界中の広い範囲で成長した。

 「半導体業界は堅実に成長を続けている。2002年第2四半期は4.7%成長する見通しだ。計算用チップは落ち込んだが,無線や消費者向けといった他の全カテゴリは上向いている」(SIA議長のGeorge Scalise氏)

 アジア太平洋地域を対象に,顧客の契約製造への移行が続いている。とりわけ中国がその恩恵を受けている。5月におけるアジア太平洋地域の売上高は前月比4.8%成長し,世界全体の37%を占めている。

 なおSIAは6月に2002年中間期の市場予測を発表している。それによると現在,業界全体の回復が進んでいるところだという。2002年第3四半期と第4四半期は売上高が約9%増加し,2002年通年では前年比3.1%成長する見込みである。2003年は同23.2%の急成長をみせ,2004年は同20.9%拡大する。無線と消費者向けデジタル製品が市場の成長を牽引する。

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