米DisplaySearchが米国時間9月26日に,2002年第3四半期における液晶テレビの世界市場を調査した結果を発表した。液晶テレビの需要は,前回調査で予測したよりも速い速度で成長している。10インチ以上の液晶テレビは,2006年まで年平均成長率(CAGR)92%で拡大し,出荷台数は,前回の予測1400万台を越ええて,1620万台に達するという。

 また,今回の調査でサイズの大型化と縦横比率の増大,高解像度化が進んでいることもわかったという。詳細は次の通り。

・画面サイズ
 画面サイズ10インチ以上のグループで,2002年第2四半期の平均のサイズは16.6インチだった。これが,2004年第2四半期には20.7インチになる。2002年第2四半期に最も需要が高かったサイズは,15インチ・クラスで市場の46%を占めた。2004年第2四半期までに同サイズの市場は,出荷台数で支配するがシェアは低下すると予測される。売上高でみると,28~32インチの液晶テレビがで首位に立ち,同年同期の6%が同年第4四半期には22%に増加するという。

・縦横比
 2002年第2四半期の縦横比17%から,2004年第2四半期は縦横比52%以上になり,より横長画面への移行が進む。HDTV放送やDVDタイトルの人気が高まっていることもあり,この傾向はさらに強まる。幅広画面で最も普及しているサイズは1280×768。

・解像度
 人間のビジュアル・システムは,ビデオ・アプリケーションに高い解像度を要求しないが,傾向として高解像度化が進んでいる。パネル当たりの画素数は,2002年第2四半期の543Kから2004年第2四半期には710Kへ増え高解像度化が進む。しかパネル・サイズの大型化にともない,ピクセル密度の大幅な向上は期待できない。今後,予測される期間において1インチ当たりの画素(ピクセル)数は,60ppiから64ppiの間で安定すると予測される。

 メーカー別でみると,シャープが市場を支配しており,2002年第2四半期における売り上げベースのシェアは51%。韓国LG Electronics/Zenithが15%,韓国のSamsungが9%,ソニーが9%,Panasonicが8%で,現在のところ市場で目立つのはこの5社のみ。

 市場を地域別でみると,同年同期の市場は日本が57%で市場を支配している。2003年も日本のシェアは50%を上回ると予測される。

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