米International Biometric Group(IBG)は米国時間9月23日に,バイオメトリクス市場に関する予測分析を発表した。それによると,同市場は2002年の6億ドル規模から2007年には40億4000万ドル規模へと急成長と遂げる。

 主な調査結果は次の通り。

・バイオメトリクス市場の成長をけん引するのは,公的部門による大規模な導入,企業向けオンライン・トランザクションの普及,標準化されたバイオメトリクス・インフラおよびデータ形式の確立である。

・バイオメトリクス市場では指紋認証ベースの技術が最も優勢で,2002年の収入は4億6700万ドルだった。指紋認証は,広範なソリューションで効率的に利用できるため,成長が最も著しい分野である。その他の分野では,2005年までに顔認証ベースの市場が年間で2億ドル規模,ミドルウエア市場が2億1500万ドル規模に達する見通しだ。また2007年には,虹彩認証ベースの市場が2億1000万ドル規模に成長する。

・今後5年間でバイオメトリクスが本格的に導入される分野としては,住民基本台帳の管理,パソコンおよびネットワークへのアクセス管理などが予測され,2007年には両分野の年間収入が約20億ドルに達する。また2004年までに,入退出管理システム分野は2億4500万ドル規模,監視システム分野は4900万ドル規模に成長する。

・垂直市場をみた場合,2007年には政府機関のバイオメトリクス導入が最も進み,年間で12億ドルを創出する。米同時多発テロ事件を契機に,政府機関が職員と市民の身元認証に力を入れることが予測されるからだ。次いで財務分野が6億7200万ドル,旅行および交通分野が5億5600万ドルになる見通し。

◎関連記事
セキュリティに対する懸念が生体認証技術の普及を促進,2006年には2001年の20倍以上に
「米同時多発テロ以降,米国民の顔認識技術への関心高まる」,米社の調査
「生体計測システムでは虹彩認識が認識率が高い」,米社が英研究所の調査を引用
サンフランシスコ空港がNECと米Identixの指紋認証技術を採用,新規雇用者の犯罪歴をチェック
「米国ではより厳しいセキュリティ手段の導入を希望する従業員が多い」,米社の調査
バイオメトリクス認証は万全ではない,なりすましを許す可能性あり
「バイオメトリクス認証への過信は禁物」――経産省情報セキュリティ政策室が警鐘
バイオメトリクス向け標準XMLスキーマを策定する技術委員会が発足

[発表資料へ]