米IBM社が米国時間9月3日に,米Access360社のすべての資産を買収することで契約を締結したと発表した。Access360社は,米カリフォルニアを拠点とし,認証管理ソフトウエアを提供している。

 買収は,政府機関の認可を受けた後に2002年第4四半期の初めに完了する予定。金額に関する詳細は明らかにしていない。

 今回の買収予定は,セキュリティ管理ソフトで急成長中の認識管理の分野で,同社のTivoliソフトウエアの強化を狙ったもの。米IDCの調査によれば,セキュリティ管理ソフトの市場は,30%を越える年間成長率で伸び,2001年の5億5000万ドルが2006年には20億ドルを越えると予測している。

 買収の手続完了後には,Access360がIBM Software Group事業の一部となり,Tivoliソフトウエア・ポートフォリオに統合される。「Access360 enRole」認識管理ソフトウエアをIBMの既存のポートフォリオに加えることにより,ユーザー・ライフサイクル管理,アクセス制御,プライバシ管理,供給,メタ・ディレクトリ,その他を補う包括的な認識管理ソリューションの提供を狙う。

 企業は,認証管理ソフトにより認証データを統一できるため,ビジネス・ポリシーに基づいて従業員,契約業者,ビジネス・パートナ,顧客にアプリケーションとリソースに対するアクセス権限を与えられる。企業は,ITコストを削減するとともにセキュリティを強化できる。

 買収完了後の予定は次のとおり。
・Access360の事業と社員をIBM Software Group事業に統合。
・IBMとAccess360を統合した販売力を通じてAccess360の認証管理製品のマーケティングと販売を実施。
・Access360製品のサポートとアップデートを含め,Access360の顧客,ビジネス・パートナとの既存の関係を維持する。

 「eビジネス・インフラの認証管理は,セキュリティを統合するための成功の鍵である。IBMとともに認証管理の分野で前進し,顧客とパートナに付加価値を提供したい」(Access360のCEOのPaul Gigg氏)

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