企業向けメッセージング製品を手がける米PGPが米国時間8月19日に,米Network Associatesの「PGP」暗号化製品の買収完了を明らかにした。PGP社が1997年12月にNetwork Associates社に売却したPGP製品の一部を買い戻したかたちとなる。PGP社は直ちにPGP製品の現行バージョンのライセンシングとサポートを開始する。
現PGP社は米Vantive,米PeopleSoft,米Symantec,米Counterpane Internet Security出身者によるマネジメント・チームと,PGP社の元経営者,開発者,特許取得者が2002年6月に設立した。
PGP社が取得するPGP製品には,WindowsおよびMacintosh対応の「PGP Mail」「PGP File」「PGP Disk」「PGP Admin」をはじめ,Macintosh対応「PGP Corporate Desktop」,WindowsおよびSolaris対応「PGP Keyserver」,PalmOSおよびWindows CE/PocketPC対応「PGP Wireless」,「PGP SDK」が含まれる。
一方Network Associates社は,PGP SDKを用いて開発した「McAfee E-Business Serve(旧称「PGP E-Business ServerまたはPGP Command Line」)」,Win32プラットフォーム対応「McAfee Desktop Firewall」,Win32プラットフォーム対応「McAfee VPN Client」を維持する。
PGP社は,PGPファミリの新製品「PGP 8.0」を2002年11月にリリースすることも発表した。PGP 8.0はWindowsとMacintoshに対応する。「既存のPGP製品の機能を大幅にアップグレードする」(PGP社)としている。主な内容は以下の通り。
・「PGP 8.0 for Windows」:PGP MailとPGP Diskから成る。「Windows XP」をフルサポートする。「Lotus Notes」対応サーバーサイド・プラグイン,「Novell GroupWise 5.5」および「同6.0」クライアントへのサポート機能,Unicodeサポート機能などを備える。「PGP Admin 8.0」で自動的にPGP Diskを設定できる。
・「PGP 8.0 for Macintosh OS X」:PGP MailとPGP Diskから成る。「Mac OS X」をフルサポートする。PGP Disk for Macintosh OS は,Windows対応PGP Diskをはじめ,旧バージョンである「Mac OS 9」対応PGP Diskと互換性を持つ。AESアルゴリズムをサポートする。PGP Mail for Mac OS Xは米Apple Computerのメール・アプリケーションと直接連携し,米Microsoftの「Entourage」に対応する。
またPGP社は,ベンチャ・キャピタル企業Doll Capital Management(DCM)社とVenrock Associates社から1400万ドルの出資を受けることも明らかにした。
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