米RSA Securityが米国時間5月29日に,電子認証管理ソフトウエア「RSA Keon」を発表した。米Microsoftのサーバー・ソフトウエア「Exchange Server」とクライアント・ソフトウエア「Outlook」に組み込める。これにより,Outlookを使った電子メールのやり取りが安全に行えるという。
RSA Keonは,RSA社が今後リリースを予定している一連の「RSA Keon Certificate Authority(CA)」ソフトウエアの最初の製品となるもの。
RSA Keon CAを使うと,ユーザーは電子メールに暗号化や電子署名を施せるので,正当な受信者以外にメッセージを読まれることがなくなる。またRSA Keon CAでは,電子メールの本文だけでなく添付したファイルにも暗号化などを行える。「ExchangeとOutlookにRSA Keonを組み込むことで,仲間内で情報を交換する際の機密性とデータの信憑(しんぴょう)性を保つことができる」(RSA社)
RSA Keonの主な新機能は以下の通り。
・導入が容易で安全な,組み込み型電子メール・ソリューション。一般的なOutlook以外のクライアント・ソフトウエアは必要ない。
・ソフトウエア導入時に行われる暗号化/署名の自動設定機能。電子メール・クライアントや認証システムの設定作業が不要になる。
・ツールバー内の署名/暗号化ボタン。電子メールの署名/暗号化を手軽に行える。
・「Microsoft Exchange Server Global Address List(GAL)」に対する証明書の発行機能。あらかじめ証明書情報をやり取りしなくとも,安全な電子メールを送信できる。
RSA Keon CAソフトウエアの新機能は,直ちに利用可能とする。またRSA社は,Microsoft社の「Outlook 2000」「Outlook 98」「Exchange Server 5.5」「Exchange Directory」「Exchange 2000」「Active Directory」といったソリューションに対応している。
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