米CSG Systemsが,米IBMの顧客管理/ビリング・システム「Integrated Customer Management System(ICMS)」を買収する。両社が合意に達したことをCSG社が米国時間8月30日,明らかにしたもの。

 ICMSは,IBM社の「eServer pSeries」をベースとするスタンドアロンのソリューション製品。顧客の管理やプロビジョニング,料金算出,請求書作成といった機能を備える。現在,ケーブル/無線/有線といった通信市場において,世界20カ国で35社の顧客を抱えている。

 今回の取引契約のなかには,ICMSの顧客など関連資産も売却も含まれている。なお買収取引は現金で行われるが,具体的な金額については明らかにしていない。

  CSG社は通信事業者向けのビリング・システムを手がける会社。同社では,「ICMSとその顧客ユーザーを獲得することで,当社のソリューション製品資産を強化することができる」と説明している。

 今回の契約によりCSG社はIBM社と協力し,自社の既存製品をeServer pSeriesに最適化していくという。またIBM社はICMSの既存顧客に対するメンテナンス/サポート・サービスを継続して行うことでもCSG社と契約を結んだ。

 IBM社では「この取引はIBM社の戦略に沿ったもの」と説明する。ここで言う同社の戦略とは,「特定用途向けアプリケーションをISV(independent software vendor)に移管し,ISVのアプリケーションと組み合わせる。それをIBM社のebusinessインフラ製品とともに提供し,世界中の主要業界に向けてクラス最高のソリューションを供給していく」(IBM社)というものである。

 なお米メディアの報道によると,CSG社は今年に入って同様の資産買収をいくつか行っており,現在その事業規模を拡大中だという。同社製品には,「CSG Kenan/BP(billing platform)」やデータ管理ソリューション「CSG Data Mediation」などがあるが,このうち前者は今年2月に米Lucent Technologiesから2億6000万ドルで買収したものである。なおこの製品はもともとは米Kenan Systemsの資産だった。Lucent社がKenan社を1999年1月に買収した際に,Lucent社の資産となっていた。

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