「低調な電子機器業界,別の規格との競争,複写防護措置に関する論議にも関わらず,IEEE 1394(FireWire)技術に対応する消費者家電とコンピュータ製品は増加することが予想される」IEEE 1394の標準化を進める業界団体1394 Trade Association(1394 TA)が,米国時間8月8日に予測を発表した。

 1394 TAの常任理事であるJames Snider氏は,In-Stat/MDRのFireWireに関する報告を引用し,ノートブックPCにおけるプレゼンスとともに2001年の消費者家電市場において1394が成長していることに言及している。「中国,台湾,韓国,欧州を含め全世界が1394にますます注目するだろう。新しい1394bバージョンとともに新しい自動車と無線1394標準の完成が,同年末までにさらにFireWireを後押しするだろう」と語っている。

 同年8月5日に出版されたIn-Stat/MDRの報告によれば,1394は引き続きPC部門で成長を続けるのに加え,消費者家電市場でも成長しているという。1394デバイスは2001年に前年と比較して世界全体で33%増加している。同技術は,小売PC,デジタル・カムコーダ,その他の消費者電子機器に普及しており,自動車などの新しいアプリケーションにも進出するため,引き続き2002年には21%増加すると予測している。

 同氏によれば,消費者とコンピュータ市場を通じて毎月数十の1394対応の新製品が投入されており,同年末までに出荷される新しいノートブックPCのおよそ70%がFireWire技術を搭載すると予測している。

 新しい報告では,1394のチャンスは大きいが,USB 2.0などの別のインタフェース,新しい1394ベースのアプリケーション,大手映画スタジオから持ちあがった複写防護措置などの問題を含め,いくつかの課題を挙げている。

 また,同氏は標準が新しい製品や市場に拡張されているため,1394 TAにとって今後12カ月間で同技術の相互運用性をもたらすことが最優先事項のひとつであるとしている。

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