米Comcast社が米国時間8月1日に,2002年6月末までの四半期の決算報告を発表した。ケーブル事業における加入者の増加とQVCショッピング・チャネルの改良により売上高が急増したが,投資ポートフォリオの価値の低下により純損失を計上している。

 同期において2億960万ドルの純損失,投資損失の57セントを含め1株当たりの損失22セントとなった。前年は3530万ドル,1株当たり4セントの収益を上げていた。連結売上高は,前年同期の23億3900万ドルから15.8%増の27億900万ドルだった。キャッシュフローは前年同期から25.1%増の8億6660万ドルだった。Pro formaベースでは,同期における連結売上高とキャッシュフローはそれぞれ11.7%と20.4%増加した。

 事業部門別に見ると,同期のケーブル部門の売上高は,Pro formaベースで前年同期の13億7700万ドルから11.9%増の15億4100万ドルだった。キャッシュフロー前年同期の5億5550万ドルから15.3%増の6億5320万ドルになった。また,デジタル・ケーブル加入者が週平均15200の割合で増加し,同期において19万80000件の新規加入があった。高速インターネット加入者は,週平均9900名の割合で増加し,同期の加入者は12万8400人増加した。

 同社のホームショッピング・チャネルQVCの同期における連結売上高は9億9450万ドルで,前年同期の8億7600万ドルから13.5%増加している。キャッシュフローは1億9450万ドルで前年同期の1億5980万ドルから21.7%増加している。営業利益率は,QVCの顧客サービス・プラットフォームの改善などにより経営効率を改良したことにより,22.0%から23.1%に向上した。英国,ドイツ,日本においては,2けた台の経営キャッシュフローの成長を達成している。

 「先ごろ株主からAT&T Broadbandとの合併に関する承認を受け,この手続きを第4四半期に完了する予定である。ケーブル事業の成長のチャンスであり,わが社の強力な経営と財政実績が成長率の促進を支援し,新しい会社にまったく新しいさまざまな好機を提供するだろう」(同社社長のBrian L. Roberts氏)。

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