「幅広いベンダーが,インタラクティブTV(iTV)向けミドルウエア仕様『OpenCable Application Platform(OCAP)』の対応に取り組み始めている」---CATV業界の研究開発機関米Cable Television Laboratories(Cable Labs)は米国時間8月1日に,OCAPの相互接続性を実証するイベントの内容について明らかにしたもの。7月22日の週に開催されたイベントでは,15社の企業がOCAP/MHP規格向けのハードウエア,ミドルウエア,iTVアプリケーション,開発およびテスト・ツールなどを発表した。

 MHPは欧州のミドルウエア規格でOCAPの重要な部分を形成するもの。MHPに関する作業は終了しており,OCAPに対応した商用受信機の完成も近づいている。「OCAPとMHP規格の普及速度は素晴らしい。これほどベンダーの受け入れが急速に進んでいるデジタルTV向けのオープン・ソフトウエア・プラットフォームはほかにない」(Cable Labs,CEOのDick Green氏)

 同イベントでハードウエア・プラットフォームのデモを行った企業には,Advanced Digital Broadcast(ADB)社,Alticast社,フランスのCanal+ Technologies,米IBM,NEC,松下電器産業,オランダのPhilips,韓国のSamsung,ソニー,フランスのThomsonなどが含まれる。

 iTVアプリケーションやコンテンツを発表した企業は,Alticast社,Digisoft.tv社,カナダのEspial,RTL Newmedia-Scip社,米Tality,Top 5 Media社など。

 アプリケーション・サーバーやその他のMPEG変換装置は,Alticast社,Strategy and Technology(S&T)社,Tality社,米Tektronixなどが発表した。

 Alticast社,Digital Keystone社,Softel社,Tektronix社,米TestQuest,Thales社,Unisoft社などはテスト・ツールやコンテンツ編集ツール,ソフトウエア開発ツールをデモンストレーションした。

 またCable Labsは同イベントで,OCAPテスト・スイートの「初めての実用的な」コンポーネントを発表した。OCAP準拠を検証するための自動テスト環境(ATE:automated test environment)や他の装置を用いたテストのデモを行った。OCAPテスト・スイートにより,ベンダーはOCAP仕様で必要とされるJava,DVB-MHP,OCAPのAPI実装を確認することができる。

 Dulchinos氏によると,「米Sun Microsystems,S&T社,Open Group,Unisoft社などがOCAPテスト・スイートの開発に協力している。OCAP ATEおよび受入試験手順(ATP:acceptance test procedure)は2002年第4四半期中に開発の第1フェーズを完了する予定である」。

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