「Microsoft Certified Professional Magazine」誌を発行する米101communicationsが米国時間7月19日に,米Microsoftの認定資格を有するIT職の給与について調査した結果を発表した。それによると,あらゆるMicrosoft社認定において,資格取得者の給与が昨年と比べて低下しているという。「Windows 2000」の「Microsoft Certified Systems Engineer(MCSE)」資格を持つネットワーク・プロフェッショナルの給与は平均5万3700ドルで,2001年の平均6万7100ドルと比べて約20%低下した。

 調査は,米Wilson Research Groupが101communications社の依頼で実施したもの。調査対象にはMCSEのほか,「Microsoft Certified Professional(MCP)」「Microsoft Certified Solution Developer(MCSD)」「Microsoft Certified Trainer(MCT)」「Microsoft Certified Database Administrator(MCDBA)」などが含まれる。

 ちなみに米Microsoftは2002年5月1日の時点で,世界で169万9920件の認定を発行している。

 「驚いたことに,『Windows NT 4.0』のMCSE資格取得者の給与は5万9800ドルで,Windows 2000のMCSE資格取得者の給与(5万3700ドル)より多い。NT 4.0のMCSEの方が資格取得者としての経験が長いためである。また,NT 4.0のMCSE資格取得者の74%は,自社ですでにWindows 2000を導入しており,実践でWindows 2000を学ぶことができる」(Microsoft Certified Professional Magazine社上級編集員のKristen McCarthy氏)

 給与だけでなくボーナスも下がる見込みだ。資格取得者の53%はボーナスが出ると期待しているものの,2001年の3分の2に減少するとみる。しかし,企業は社員教育には支出を増やす予定である。認定取得のための全費用を負担する企業の割合は50%で,2001年の46%,2000年の39%から増加している。

 資格を有するITプロフェッショナルの給与は下がっているが,「やる気は落ちていない」(101communications社)。現在の仕事に「満足している」または「たいへん満足している」資格取得者は83%。また,約90%の資格取得者が2002年に新たな資格を取得するつもりだという。

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