IT関連企業が加盟する非営利の業界団体である米国コンピュータ技術産業協会(CompTIA)は,セキュリティ資格「Security+」の試験作成委員会「Security+ Cornerstone Committee」を発足させた。CompTIAが米国時間7月16日に,同委員会への参加企業を発表したもの。参加企業は最近シカゴで開催された会合で,Security+資格に必要な経験やスキルを定義したという。

 CompTIA資格担当ディレクタのFran Linhart氏はSecurity+ Cornerstone Committeeについて,「セキュリティに関する基礎的な資格認定を行うために,業界,学会,政府機関が一丸となった取り組みである」と説明した。「同委員会では専門家との協議,フォーカス・グループの企画やスポンサ調査,レビュー・プロセスの統括などを行い,試験のベータ版の作成を開始している。第4四半期には新しい試験の作成が完了する見通しだ」(同氏)

 今回CompTIAが発表した参加企業および組織には,米VeriSign,米Entrust,米RSA Security,米IBM,米Microsoft,米Novell,米Sun Microsystems,米国標準技術研究所(NIST:National Institute for Standards and Technology),アルゴンヌ国立研究所,米関税局Customs CyberSmuggling Center(C3),米国シークレット・サービスなどが含まれる。

 「この新しい資格が効力を発揮するには,業界,学会,政府機関の支援が必要だ。またCompTIAの中立的な立場,リソース,知識なくして,世界規模で受け入れられる資格の実現は難しかっただろう。セキュリティ分野の資格は,現在最も待ち望まれているものである」(NIST情報技術研究所コンピュータ・セキュリティ部門担当副主任のFran Nielsen氏)

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