イタリア,フランス合弁のSTMicroelectronicsが,デュアルバンク動作可能なフラッシュ・メモリー「M29DW323D」と「M29DW324D」を発表した。同社がスイスのジュネーブで現地時間7月3日に明らかにしたもの。両製品とも容量は32Mビットで,動作電圧は3V。Common Flash InterfaceおよびJEDEC標準に対応している。

 「両製品は,32Mビットの標準的なフラッシュ・メモリーとしては市場で最も小さい」(STMicroelectronics社メモリー製品グループ担当副社長のGiuseppe Crisenza氏)

 同メモリーは8個のパラメータの配列と63個のメイン・ブロックという構造で,M29DW323Dは8Mビットと24Mビット,M29DW324Dは16Mビットと16Mビットの二つのバンクに分かれている。一方のバンクに対して読み出しを行いながら,もう一方のバンクに書き込みまたは消去を行うデュアルバンク動作が可能。

 メモリー内部の構成は4Mビット×8ビットまたは2Mビット×16ビットで,さらにブート・ブロックを持つ。64KバイトのExtended Memory Block(拡張メモリー・ブロック)がパラメータ・ブロックと同じアドレスにあり,拡張ブロック・モード時に読み出しおよびプログラムが可能になる。「このブロック内のデータはBlock Protect(ブロック保護)コマンドで保護できるので,セキュリティ用のデータを保存するのに適している」(STMicroelectronics社)

 プログラム,消去,読み出し動作時の電圧は2.7Vから3.6V。1度に2ワード(4バイト)プログラムできるFast Program(高速プログラム)モードでは,12Vの電圧が必要になる。同モードでプログラムにかかる時間は,10μs/バイト/ワード。

 製造プロセスは0.15μmルールで,TSOP48(12×20mm)とTFBGA63(7×11mm,0.8mmピッチ)パッケージで供給する。動作温度範囲は-40度~85度(摂氏)で,アクセス・タイムは70nsおよび90ns。

 詳細については,STMicroelectronics社のWWWサイトに掲載している。

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