フランス,イタリア合弁のSTMicroelectronicsが現地時間2月11日に,消費者デジタル製品に要求される機能を満たす32Mビットのフラッシュ・メモリー・チップ「M58LW032A」を発表した。

 同チップは,セットトップ・ボックス,デジタル・ビデオ・ディスク・プレイヤ,カーナビ・システム,PDA,デジタル・カメラ,プリンタなどの消費者向け製品に適している。またネットワーク・ルーターと関連装置への応用も視野に入れている。
 
 M58LW032Aは,56MHzのデータ・バースト処理機能,16ビット幅のデータ・バスを備え,2.7~3.6 Vddの電源,また別に1.8V~VddからのVddq I/Oバッファの電源供給で動作する。他のフラッシュ・メモリーと同じようにデータを保存できるが,保存したコードを直接実行できるため,別にRAMを必要としない。さらに同時に56MHzまでのリード・バーストが可能で,90ns/25nsページ・モードの読み出し,90nsのランダム・アクセス,アドレス・ラッチによる読み出し機能を備える。

 また低電圧の論理回路に対応するために,プログラム,削除を含むすべてのオペレーションを2.7V~3.6Vの電源で実行する。さらに接続した装置のI/O要件と一致させるために,1.8Vから供給される電源までの範囲でI/Oシグナルを受け付ける。32Kワード(512Kビット)のメモリ・ブロック64個で構成され,それぞれのブロックは,独立して消去とプログラムが可能。

 M58LW032Aは,TSOP56とTBGA64パッケージで供給する。耐久温度範囲は-40度~85度。現在サンプルの配布を行っているが,製品の出荷は2002年第2四半期を予定している。

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