仏伊合弁のSTMicroelectronicsがスイスのジュネーブで現地時間11月22日に,すぐに使用可能な“ターンキー方式”の開発キット「ST92163-DEMO/MS」を発表した。パソコンのUSBポートに接続するフラッシュ・メモリ・カード・ライターの開発に向けたもの。

 キットはハードウエアとソフトウエアを含む。転送速度が12MbpsのUSB用マイクロコントローラ(MCU)を採用している。「フラッシュ・カードにアクセスする周辺機器を迅速に開発できる」(STMicroelectronics社)。

 開発するカード・ライターには複数のカード・スロットを設けることが可能で,ASICや外部プログラム,データ用メモリも不要という。

 ST92163-DEMO/MSの主な仕様は次の通り。

・転送速度12MbpsのUSB用MCU「ST92163」をベースに,デバイス用ファームウエア,デモンストレーション用基板,回路図などが付属する。

・カーネル・ドライバは,Windows 98,98SE,ME,2000,XPと,Macintoshに対応する。

・参照デザインがインタフェース可能なフラッシュ・カードの形式は,コンパクト・フラッシュ,スマート・メディア,Secure Digital(SD)カードおよびマルチメディア・カード(MMC),ソニーのメモリースティック。さらにNAND型のフラッシュ・チップにも対応する。

 ST92163-DEMO/MSを使うことで,パソコンにUSBで接続可能なフラッシュ・カード・ライターの開発が可能。フラッシュ・カードは不揮発性メモリの一種で,デジタル・カメラやMP3プレーヤ,携帯電話,PDAなどで利用するため,フラッシュ・カード・ライタの需要が高まっている。

 なお,同キットはすでに利用可能である。詳細についてはSTMicroelectronics社のWWWサイトに掲載している。

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