米WorldComが米国時間7月1日に,2001年および2002年第1四半期決算の水増し報告に関する詳細な説明を米証券取引委員会(SEC)に提出したことを発表した。

 提出した書類には,WorldCom社の設備投資経理について社内監査を行った結果が含まれる。同社は「該当期間に,ライン・コストから資本収支への特定の振替が会計原則(GAAP)通りに行われなかったことが判明した」と説明した。

 「今回の提出は,社内および社外の調査に積極的に協力する我が社の姿勢に則ったものだ。今後も引き続き経営の調査に取り組み,新たに発覚した内容を報告していく」(WorldCom社社長兼CEOのJohn Sidgmore氏)

 なお,WorldCom社の会計委員会は2001年,2000年,1999年の会計記録についても調査を行うとしている。

 そのほか,WorldCom社は同社に26億5000万ドルを融資している金融機関から,債務不履行に陥ったとの通知を受けたことも明らかにした。貸し付けの51%を保有する融資銀行は,債務返済を繰り上げるよう要請できる。

 Sidgmore氏は,「この通知は予測していたこと。建設的な結果に至るよう,融資銀行と話し合っている最中だ」と説明した。

 またWorldCom社は,Nasdaq店頭市場から7月5日に上場廃止の警告を受けたことも明らかにした。ただしWorldCom社がNasdaqの規則に従って審問を希望した場合は上場廃止を保留するという。

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