米WorldComが米国時間4月25日に,2002年第1四半期の決算を発表した。WorldCom group事業部門の売上高は51億ドルで,前年同期の52億ドルに比べ2%減少した。EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は18億ドル。純利益は1億8400万ドル(希薄化後の1株当り利益は6セント)だった。これには,News社などの投資整理に関する税引き後の経費9000万ドルが含まれる。前年同期の純利益は5億3200万ドル(希薄化後の1株当り利益18セント)だった。

 一時的な費用を除いた場合,当期の純利益は2億7400万ドル(希薄化後の1株当り利益9セント),前年同期の純利益は5億7900万ドル(希薄化後の1株当り利益20セント)となる。

 海外事業の売上高は8億1100万ドルで,前年同期の7億1000万ドルに比べ14%の増加。データおよびインターネット・サービス事業は27億5000万ドルで,前年同期の27億7000万ドルから1%未満の減少となった。音声事業の売上高は15億2000万ドルで,前年同期の17億3000万ドルに比べ12%減少した。

 WorldCom group事業部門とMCI group事業部門の連結決算は,売上高が81億ドルで,前年同期の88億ドルに比べ8%の減少した。純利益は1億3000万ドル。これには,News社などの投資整理に関する税引き後の経費9000万ドルが含まれる。前年同期の純利益は5億9400万ドルだった。

 一時的な費用を除いた場合,当期の連結決算の純利益は2億2000万ドルで,前年同期は6億7000万ドル。

 なおWorldCom社は,同期の決算に米財務会計基準書(FAS)142号を適用している。

 2002年通年の見通しについては,経済や市場の状況がこれ以上悪化しなければ,WorldCom group事業部門の売上高が210億ドルから215億ドル,EBITDAが70億ドルから75億ドルになると見込む。

 WorldCom社社長兼CEOのBernard J. Ebbers氏は,「当社は顧客の基盤と全体的な市場シェアを維持している。しかし,当社が強みを持つ技術と金融サービス分野において,景気低迷の影響を受けた」と説明した。また今後の状況については,「市場と顧客の電気通信に対する支出が復活するにつれ,当社の業績は改善する」(同氏)と述べた。

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