米WorldComが米国時間5月15日に,企業向けの包括的なEthernetサービス・スイートを全米で提供すると発表した。「当社のEthernetサービスを導入することで,経済的かつ容易に既存のネットワークをアップグレードできる。そして,複数の地点の高速接続が可能となる」(WorldCom社)

 WorldCom社のEthernetサービスでは,「Internet Dedicated Ethernet」「Internet Dedicated Gigabit Ethernet Port Only」「Metro Private Line Ethernet」「Wide Area Private Line Ethernet」「Enterprise Ethernet Metro Services」といったさまざまなソリューションを提供する。ソリューションはすべて,顧客の必要とする帯域幅,セキュリティ,性能に合わせた導入が可能。

 サービス対象地域は,「都市圏用光ファイバ・ネットワークが導入されているすべての地域」(同社)を予定する。なお,Metropolitan and Private Line Ethernetサービスは,当初カナダNortel Networksの光Ethernet技術を使用し,米国の84都市で直ちに利用可能とする。Internet接続またはVPN接続の構築サービスについては,ニューヨーク,シカゴ,ダラス,サンフランシスコ,サンノゼ,ノーザンバージニア,ワシントンD.C.など大都市で提供する。そのほかの地域については,需要に応じて順次サービスを提供していくという。

 「Ethernetを顧客のLANから都市圏およびWANに拡大することで顧客は使い慣れた実績のある技術を使えるので,高価な装置を購入したり,ネットワーク管理を行う専門の担当者を雇う必要がない」(同社)

 なおWorldCom社は,米Yankee Groupの市場予測結果を引用して発表している。それによると,都市圏のEthernetサービスの売上高は今後5年間で急増し,2006年までに40億ドル以上の規模に達するという。

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