米Quantumは米Imationとの磁気記録テープのDLT(Digital Linear Tape)を巡る係争で和解に達したと米国時間5月29日,発表した。和解により,Imation社はQuantum社と日立マクセルに対する独占禁止法訴訟を取り下げ,Quantum社はImation社に対する企業機密に関する訴訟を取り下げた。

 Quantum社は18カ月にわたってImation社に和解金500万ドルを支払う。また,両社は複数年の事業および供給提携を結ぶ。提携の金額など詳細については明らかにしていない。

 Quantum社とImation社は,「この係争が和解に至ったことをうれしく思う」との共同コメントを発表している。「顧客のニーズに応え,信頼性のある質の高いテープ製品を提供し,DLTメディア市場の拡大に取り組む」(両社)。両社はImation社をDLTメディア・メーカーとして承認する作業に取りかかっていることも明らかにした。

 両社の係争は,Imation社が2001年10月1日に,Quantum社を独占禁止法違反でミネソタ州の連邦地裁に提訴したことに端を発する。Imation社の主張は,Quantum社が同社のDLTドライブに対応したデータ・ストレージ・テープにおける生産と販売の独占を図り,価格維持とカルテル行為を行ったとするものだった。

 これに対してQuantum社は,Imation社が“極端かつ広範囲な”企業機密の横領,虚偽による誤解を招く広告,不正なビジネス・プラクティスを行ったとして,2001年10月3日に反訴。Quantum社のDLT技術を利用したImation社製テープ・メディアの販売差し止めを求めていた。

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